ハイキュー‼︎第253話「追い打ち」

1p目から梟谷(赤葦)による解説。先週は日向のモノローグによるミスリードがあったけど、それが出来る影山の巧さの方に焦点が当たってる。要は日向の助走路にトスの軌道を合わせて相手を欺き、実際は大地さんにトスを上げるといったようなこと?これ聞いてるだけだとほんほんと頷けるんだけど、実際コンマ数秒の思考でこうするに至って実践できるっていうのはやはり凄まじい。そして脳内で繰り広げられる赤葦の解説に木兎さんの声が飛び込んでくる。一見正反対の2人だけど実は似た者同士かも?っていうのは近頃は特に推して描かれているように感じる。イメージとして、冷静な赤葦と熱い木兎さん、脳内で言葉細かに解説しているのが赤葦で、何も考えずに思ったことをそのまま口に出しているのが木兎さんというような感じがあると思うんだけど、赤葦に「ーあとは」とモノローグさせた後に、思ったことをそのまま口に出す木兎さんの言葉が赤葦と同じ思い、考えとして続く、というのがいいよね。存在感のある木兎さんが日向を同じように評価しているというのも嬉しい。冷静と熱血の両方からそう評価されることで説得力あるなとも感じる。

 

そして先生の言葉。「必要以上に相手を強大なものと思い過ぎていたかもしれない」初読時と2回目以降でこの言葉の印象が変わる。鼓舞としての効果みたいなものは変わらないんだけど、まぁこれもフリになってる。「本当にそうだろうか?」という。で、続く「1つずつならちゃんと対処できます」もまたねー、いいんだよね。本当に1つずつなら対処できるのだろうか?或いは、1つずつで間に合うだろうか?という。

 

宮侑の二刀流サーブの怖さについて。レシーブの構える位置がまず違うらしい。そりゃそうか。そりゃそうなんだけど、今まで思い当たらなかった。オーバーとアンダーでも全然違うし、当たり前のことだけどいつも同じ位置に打ってくるわけじゃない。速度は100km超えてるってのにめっちゃびっくりした。そんなか!ジャンフロも速度があるんだろうしね。思ってる以上でちょっと驚いてしまった。それでも対処法は0ではなくて、宮侑のルーティンによってどっちでくるかというのは見分けられるらしい。これも言われてみればそりゃそうだなという話で、エンドラインからの歩数を測るという動作。ジャンプサーブの方がパワーに傾いてて、ジャンフロの方が回転に気を使う分助走が小さくなるって感じなのかな。素人目から見ると、そういや他の子って同じようなルーティンをやらないんだなぁ、と思った。ルーティンをやるからどう、やらないからどうというわけではもちろんないんだけど、もう単純に、どのあたりにサーブトスを上げてどの程度の助走をつければこういうサーブが打てる、みたいなことが感覚的に分かるもんなんだなぁ、という。スパイクとかもそうだけど。絵だけ動きだけ見るとなかなか思い当たらないんだけど、どのタイミングでジャンプをして腕を振る、ということが彼ら当たり前のように分かってるんだよなぁ、みたいな変な感動。いかにも素人くさいというか、運動できないっぽい考え方だけど。宮侑はサーブ時に騒音を嫌う描写もあったように、きっとかなりこだわりが強いんだよね。自分のパフォーマンスを最高まで持っていくための準備を分かっているんだろうなというのが読み取れる。この宮侑のルーティンを見つけてくれたのがコーチ。身体パフォーマンスを最高まで持っていくために選手たちが練習している間、大人がこうやってその他の部分、先生だったら試合外の部分の不安要素を取り除くことであったり、コーチは相手校の研究やそのための手筈を整えておいてくれるというのがほんとにありがたいよね。

 

宮侑のルーティン、ジャンフロの歩数4歩を知っていてなお、さらに「あの」西谷でさえ取れないというのがまたいい。「それは単なるスタートラインに過ぎないんやで」という言葉から、ルーティンを知っててなお抵抗できなかった数多の学校の姿が目に浮かぶ。稲荷崎の格も落とさないし、「あの」西谷が拾えないというのも、「西谷はオーバーがちょっと苦手」という描写がずっと積み重ねられていたからこそ、西谷が急に弱くなったような描き方にならないし、伸び代だよね。実況が「サービスエーーーース!!!」と叫んだコマの宮侑の描写がまた良くて、今試合は影っていうのが結構印象的に描かれてる。主に稲荷崎だけど、顔や体に影が濃く付いているのが強さを演出していていい。大地さんの描写もまた良くて、1度稲荷崎のブラバン演奏に「焦」と言葉をかき消されながらも普通に対処してる。やっぱりめちゃくちゃ頼もしい。

 

そしてツムサムと呼び合う2人。「攻めるタイミングは逃したらあかんよな」という宮侑の言葉に宮治がメチャクチャ嫌そうな顔。よくあるやりとりなんだろうか。宮侑のジャンフロを西谷がなんとか上げ、二段から何とか旭さんがボールを返す。「!」と何かに気付いた様子の影山。「この位置 頃合い この角度 どん ぴしゃり」「まるで日向と影山の変人速攻のような」攻撃が烏野のコートに落ちる。真相はまだわからないけど…「まるで日向と影山のような」と称されるからにはマイナステンポ?「マジでボール来よった」と治が言ってるので、常套的にやっているわけではないが会話に出たことのあるというような感じなのかな。月島がまったく動けてないのが熱いやら苦しいやら。日向影山の速攻との違いっていうと何なんだろうか。宮兄弟のはとりあえずダイレクトデリバリーっぽい?宮兄弟の双子ゆえ息が合ってるからできたことっていうのがありそうかな、双子設定はこのためか、ってまだ分からないのに何だか納得してしまった。じゃないと宮スゲーが過ぎちゃうよね。影山の「今 この位置 このタイミング この角度でドンピシャ!」に明確にかぶせてきてるけど、あれはIH予選時だからなぁ。単純に比較はできないんだよね。「頃合い」と「タイミング」という表現の違いから、タイミングの方が主観的で頃合の方がやや多く幅を取るというような印象はあるけど、今の影山ならそんなに「瞬間的な」トスという印象は強くない。日向影山の速攻の優位性が何かというのは現時点ではまだよく分からなかった。

 

何はともあれ、ここでショックを受ける日向じゃなかろう、という信頼はめちゃくちゃある。ついに烏野が仮想自分たちと当たるのかもという安心みたいなものも。だからかなり気になるところで引いたけど、ジクジク苦しい感じは全くない。来週センターカラーだし楽しみ。