ハイキュー‼︎第251話「リズム」

合併号。ライバルとじゃんけん、ってコンセプトみたいなので、ハイキューからは影山。グー。視線の先に日向がいるわけではないのに、眼光の鋭さとその拳に日向がビビっている様が眼に浮かぶ。裏側には日向。古舘先生の描く手の絵が好き。今回特に好きなのは手のひらから腕にかけての塗り。

で、本編。日向影山のブロードに稲荷崎応援席も思わずザワザワ。そして拍手。こういう描写がいい。素晴らしいプレーは素直に賞賛。ブロードは男子ではあまり見ないというのに若干驚き。そうなんだ。確かにあまり見たことはないかもしれない?烏野のプレーに素直に「カッコええなあ…!」と目を輝かせている宮侑。これも良かった。「喧しブタ」が「ゲスキャラ」「ドSキャラ」「性格悪いキャラ」というように捉えられていたのに少しモヤモヤしていたんだけど、宮侑の本質はやはり「ただのバレー馬鹿」というところにあるんじゃないかなと思っていたから。こういう、年相応っぽい「ただのバレー好きだなぁ」という印象を持てる描写が入ると嬉しい。「試合んなると精神年齢5歳下がる」そう。影山とは逆っぽい?

影山サーブ。稲荷崎のブーイングを鼻で笑う月島。月島にはブロック以外のプレーでも(特別苦手なように思われるサーブでも)相手を翻弄するような強さを持てるようになってほしいという期待はやはり持ってしまう。旭さんや影山、田中のような強力サーブは打てなくても、スガさんのように安定してパフォーマンスの高い戦略的なサーブを打てるようにはなってほしいなぁ。

ブーイングどうなんだ問題は継続してあると思うんだけど、先生の描いた応援団が全力でブーイングしているコマを見ると気持ちが揺らぐ。観客席のおばさまが「品が無いわぁ」と嫌がっているのなんかも。応援の良し悪しは品のある無しで規定されていいんだろうか、というのはちょっとあるかな。先日の「そーれ」は品がないわけではないだろうし、今週続く「手拍子」は好意的に描かれてもいる。ただブーイングを受けて「ン百人vsおれ…!」と気持ちよくなっている日向はやっぱりめちゃくちゃいい。日向はサーブいいわけでは決してないんだけどね。圧倒的逆境に快感を覚えている様子にはある種の倒錯的なものを感じるw日向の実力が追いつけばなおよし。そしてブーイングから手拍子に切り替わる。文字だけなんだけど「だんだん早くなってる」感は伝わってくる。影山までもが乱されるっていうのはなかなかヒヤヒヤ。そして赤葦によって解説される、宮侑の「完璧な一歩目」。ここで赤葦が解説役に駆り出されるのいいな。スポーツを見ていて思うのは、やはり上手さに気付けるのもまた上手さだなっていう。

宮治サーブ。8秒間たっぷり使う選手と間髪なしに打ってくる選手がいるというのはなかなか厄介。椿原戦もサーブが少しテーマに織り込まれていましたけど、稲荷崎戦もサーブについてはかなり焦点を当てて描かれるかな?宮治の8秒たっぷり使うサーブがしっかり8コマ使って描かれているのに感動した。今回は「リベロんとこ」にいったのでスムーズに攻撃に繋げられたけど、少し崩れたりし出すとどうなるかっていうのはちょっと不安。そして田中が得点。叶歌が「予想以上のガチ見」で解説していたのがすごい良かった。叶歌自身が優秀な選手というのもやはりあると思うけど、好きな人相手でもまずバレーについての評価はフェアであるし、何よりバレーが好きなのもよくわかる。このシーンめちゃくちゃいいなぁ。2人の恋愛に焦点が当たって、それはリアルな高校生っぽさもあるんだけど、叶歌のバレーに対する誇りとか、フェアな眼差しというのは変わらないよね。

田中サーブ。観客が手拍子に巻き込まれていく様子がめちゃくちゃリアルというか、あるある。スポーツに限らず、なんとなく流されて手拍子に参加したり、むしろ好意的な思いで、っていうのは非常にわかる。「観客の好意も烏野への煽りに変わっていく」というのがまさにその通りという感じで、何ページか前にあった、どちらの学校の関係者でもない女の子たちが「お祭りみたい」と言って手拍子に盛り上がっていた様子もそうなんだけど、稲荷崎に関係のない観客たちまで巻き込んで自分たちの力にしているというのが怖い。この描写は好きだなあ。そしてさりげなくこの2人。大将とミカ。これはテンション上がった!音駒戦でもしかしたらと思ってたけど、まさかここでくるとは。かわいいわぁ。ここに来るまでの2人のことを思うとめちゃくちゃ和む。部活ばっかりという理由で破局した2人が、大将が引退した今、一緒に春高に観戦に来てるんだなぁ。エモいわ。最高。

手拍子の「勝手にリズムを作られる」感じがすごく厄介、というのは非常によくわかる気がする。自分のリズムや集中を乱されるというのはストレスが大きそうな。アランくんのサーブがめちゃくちゃかっこよかった。サーブを乱されなかなかブレイクに結びつかない烏野と、着実にサーブを決めてブレイクしていく稲荷崎。稲荷崎の応援が「援護射撃」のようだというのは言い得て妙。「援護射撃」は応援足りうるか、どこまで「援護射撃」に含まれるか、というのはまた議論を呼びそうな感じでもある。「コートの中と外、音を使ってナワバリを広げていく」稲荷崎について大将に「容赦ねえ」とコメントさせるのいいよね。「あの大将が」言うんだよな、というあたり。「その道」の中でもここに来れなかった戸美と、全国2位の稲荷崎との差をまじまじと思い知らされるというのもあるし。戸美のやり方としては、あくまでもコートの「内側」に働きかけるというポーズを取って、「外側」に間接的に地道に印象付けていくというやり方で、稲荷崎の方は目に見えた形で、無理やり外側を巻き込んでいくという感じ。それにしても大将の肩書きに「元」主将とついているのが思ったよりウッ、と来た。

そしてやって来る、冴子さん。烏野応援。ついに和太鼓!これ実際春高ではあったりするのかな。とにもかくにもテンション上がる。頼もしさがハンパない。前髪ガッと上げてピアスバリバリなのがめっちゃかっこいい。てかねー。これもめちゃくちゃいいのが、白鳥沢戦の時、冴子さんや烏野の応援が白鳥沢の応援にかき消されてしまったのが、やはり彼女にとっても苦い経験で、だから彼女にとってもリベンジマッチであるわけで。彼女は烏野を本気で応援したくて応援してくれているのが嬉しい。それにしても冴子さんの待たせたな!からあと2週間待たなきゃいけないのがつらい…。冴子さんの応援がめちゃくちゃ心強いし2週間後のジャンプが今から楽しみ。今週はあとジャンプGIGAで来週26巻でなんとかやっていける気がする。楽しみ。

で、こどもの日番外編。木のぼりをする日向。だいたい変わってなくて笑った。かわいいわぁ。「秋山小出身」「バレーは小2から」の、バレーボールを始めたばかりの影山が顔面レシーブしててめちゃくちゃときめいたしなんかぐっときた。影山もこういう時代があったんだよなー。何にも考えてなさそうな顔でちんちくりん結びのやっちゃんが絵を描いているのがかわいいし、当時から絵を描くのが好きだったのかなと思うと、今の姿を思って成長を感じてしまう。そしてオチの西谷。日本犬を連れて兜を被ったザ・日本の少年といった出で立ちにもかかわらず服がNEWYORKなのにちょっと笑った。そして木の棒。ほんとに「木の棒がこんなに似合う奴」いない。分かるもんな〜。かわいい番外編もあって今週は盛りだくさん!