ハイキュー!!第259話「押せ押せドンドン」

インターハイとコラボ!天皇杯とか春高とかはあったけど、インターハイは初めて?なのかな??こうやって現実のバレーボールとコラボするのって、一読者ながらなんだかうれしい。

 

 

 春高はここ4年連続でポスターに使われてるんだけど、今回は「レシーブ」の日向なんだよね。日向のイメージというとやっぱりスパイクが印象的なんだけど、今回はレシーブということで、ちょっと胸熱。

 

で、もうひとつ。国内リーグ50周年記念冊子とのコラボ。本誌にも絵が小さく載ってたんだけど、メインの学校から基本1人ずつ選出された感じ。サプライズは中島と照島じゃないかな。あと百沢!強化合宿編もそうだけど、「高さがないながら頂点を目指していく主人公」の話の中で、とびっきりの高さを持つ百沢が評価され大事にされてるのっていいよね。そして、白鳥沢から若利くんと天童。先生は天童のことが本当にお気に入りだっていうのはあると思うんだけど、天童はここでバレーを辞める子で、「ゲスブロック」は現実のバレーボールの世界でもあまり好ましく思われていないみたいっていうのを考えると、国内リーグ50周年記念でその姿を描かれるっていうのはちょっとエモいよね。そもそも国内リーグ50周年記念でハイキューとコラボっていうのが嬉しい。

 

で、本編。冒頭の治の「何や腹減ってくるなあ」がめちゃくちゃ意味わからなくて怖い。何週か後に何か回収がきそうな。そして今回大活躍の例のカップル。「俺のほうがカッコイイし」とかいう会話のかわいさがヤバイ。現在同点だけど、それでも会場の空気は当たり前に稲荷崎贔屓っていうのが面白い。試合が拮抗していて面白いけど結局勝つのは稲荷崎だってみんな疑ってないし、大番狂わせを期待している人なんていないんだろうなと思う。「飛び道具を投げ続ける」っていうのは烏野の武器だけど、今までそれで勝ってきたのは、少なからず「相手が必然的に飛び道具を受ける側に回る(そして王道のプレーをいくつも選択できる)」青城と、「飛び道具への対処がいかんせんばらつきがち(しかし一手で跳ね除ける巨大な大砲あり)」白鳥沢というあたりで、一応弱みというのがわりと目に見えてはいたんだよね、それでもなお強かったんだけど。稲荷崎に対しては、とにかく未知の飛び道具をバンバン投げて、びっくりで一応点としては対等にやっているという感じで、「出尽くした所からが本当の勝負」という言葉には頷ける。

 

影山サーブ。治が受けてアランくんは三枚の上から決める。これ、アランくんがスパイカーとしてめちゃくちゃ優秀なのはそれはそうなんだけど、一応烏野としても、三枚揃ってはいるが大地さんと田中の間が空いてること、田中の腕の間が空いてること、日向も腕開き気味かな、そういうあたりの、烏野のブロックがまだやっぱり未熟であること、それゆえ「完璧を抜かれたわけじゃない」っていうのはあるんじゃないかなー。対処できないわけではないし、烏野もまだまだ伸びしろがあるし。大地さんのブロックがちゃんと整ってるあたりの「当たり前の土台」のレベルの高さっていうのも地味ながら結構意識的に描かれているなという気がする。で、アランくんサーブ2本目。例のカップルが「集中力なんていつどんなことで切れるかわからない」というようなことを言ってるけど、これが今週の引きにつながってる。で、彼氏の方はこれ現役でやっているっぽいのかな。女の子もやってるんじゃないかと思う。次のコマで何かに気付く滝ノ上さんっていうのも、嶋田さんがいないことに気付いたということかな。アランくんのサーブを受けるのは田中。で、「上抜くのは無理」な旭さんが何かをやる模様。ここ2段をしっかり上げた日向も偉いよね。旭さんの新しい挑戦は伊達工練習試合の時から引っ張られてるけど未だちょっとわからない。私は若利くんのように滞空時間の長さを意識しているのかなとか、あとは打つのちょっと遅らせてブロックが下がっていく瞬間に打つみたいなことをやりたいのかなとか考えた。木兎さんが「ここに来てまだ新しいこと試すのか」「カラスめ!」と嬉しそうにというか、楽しそうにしているのが良かった。ちょっと対戦フラグっぽいかな。期待したくなる。木兎さんがいよいよ「身内」枠、烏野の成長のために作られたっていうところから抜けていって、敵として描かれる兆候かなとか思った。赤葦と木兎さんがそれぞれ自分と同じポジションについて見ているという違いもいい。木兎さんは感覚派で赤葦は理知的な感じ、みたいにきっぱり割り振られていない感じがね。

 

そして烏野サーブは山口。「勝負してこい」「10点取って来い」「イケルカンジの空気」って言葉が続いたあたりからなんとなく嫌な予感がある。山口の活躍ってもう当たり前で、さらっと点取ったりとかしてるから、やけに盛り上げてくるな、みたいな。そしたらまぁこれ。椿原戦でかなり説得力を持って描かれた「リセットの視点」というくだりなんだけど、今回これが見えなくなってしまう。ラストページのヒヤッと感がすごい。肝が冷える。もう山口のモノローグの言葉の多さから既に「いつもどおり」が困難であるということがよくわかる。1回落ち着こうとはしているんだけど、「くそ失敗した何でもっと」のあたりからちょっともう怪しいというか。あっこれまずいな‥というのが、すごくわかる。ラストコマのあらゆる音が耳に入ってくる感じとか。めちゃくちゃリアル。ちょっと来週久々に怖いな。嶋田さんが動いているみたいだからそのあたりで何かあるかな。