ハイキュー‼︎第225話「ぎくしゃく」

センターカラー。ハロウィンで伊達工。めっちゃかわいい。フランケンの青根とゾンビの二口、バンパイアの黄金川。右上に日向と影山のカラスがいるのいい。


影山。「俺は他人のキモチとかよく分かんねえし、言葉選びも間違うみたいです」「でも最高のセッターになるよう努力します」月島と日向が軽口叩いているのもかわいらしいし、「それこそ今更だな」「お前はずっとそうだろ」と肯定してくれる大地さんが優しくていい。いいチームだ…。また大地さんの悪い言葉を掛ける月島に日向やスガさんや西谷もまた軽口叩いて和ませてくれる。スガさんの「良いゲス顔だな!」とか、かなり距離が縮まってるなと感じる。バレーボールのプレーに「他人の気持ちを分かること」なんて必要ないし出来なくて普通だって言ってくれるのすごくいいな。必要なのは「試合の状況と選手の状態」を見ること。すごく現実的且つ具体的で、綺麗事ではないから影山もしっかり飲み込める。


そしてコーチの助言を受けた影山が、気持ちよくスパイクを決めた田中にも一言。「打ち方雑になってます」「疲れたんなら交代する手がある」と。田中は、影山なりに気を使った発言であると理解しながらも自分の主張もしっかりする。両者の妥協案として、練習試合である「今」できることを試そうと提案する大地さん。自分の考えを互いに主張し合いながらも、チームとしてより良い形になるよう話を展開してくれる人がいるというのはすごくいいことだろうなあ。田中は「本数を減らす」という解決策をさりげなくやってほしいと思っているし、逆に旭さんは事前に言ってほしいと思っている。このあたりの個人差を把握して対応していくことが「選手の状態を見る」ことであるとも思うし、すごく人間らしさを感じる。その様子を見ていた先生が、「変化は必ずしもいいものとは限らない」と言っているのもまた良くて、何年も多くの生徒を見てきた立場であるからこそ説得力もあるし、「変化」を武器にしてきた烏野でも、変化が必ずしもいいものであるとは限らないという段階にあるという不明瞭さが描かれるのはいいなと思う。そして「この2・3年生が居れば大丈夫と思える」というのもすごく分かる。2年生も含まれているのがいい。理解して優しく受け止めてくれる、まとめてくれる3年生だけではなくて、より対等な立場として影山に自己主張をしていける2年生がいるのも大きいよね。


伊達工のブロックに阻まれた旭さんが「スマンッ…!」と誤ってしまうのに対して、「旭さんが謝るところじゃない」「今のはコッチがフォローするところです」と田中、影山が口に出して伝えてくれるのもすごくいい。もう旭さんにとっては過去に伊達工に折られた記憶というのは克服できているものだと思うけど、上がったトスに対してスパイカーが得点できないことを1人の責任とせずにブロックフォローの存在、意義を再呈示してくれるのはすごく心強いことなんじゃないかなと思う。そして、影山のトスが割れたことにもしっかり指摘していく日向!日向相手にスンマセンと謝っている影山も新鮮。チームメイトの誰もが対等であって誰が誰に対しても指摘できる雰囲気がいい。


そして伊達工。二口の力強いジャンプサーブ。からの3枚壁でしっかりシャットアウト。二口と青根のアクションがかわいい。コーチの「伊達工にいいサーバーが育ってきたら手つけられないかも」の後の、アウトにはなったけれども力強い青根のサーブ。いいなー。「来年一番厄介な相手になるのは伊達工かもな」これはめちゃくちゃテンション上がる。翌年強いのは絶対に伊達工だと思ってるし、作中でもそう思われてるのがぐっときた。監督と舞ちゃんのニヤリがかわいいし。山口が思い描くサーブ&ブロックの構図は現代バレーにおいて主流なのかな。ともかく現時点で一番それに近いのが伊達工なんだろうね。春高出場を決めたのは烏野だけど、理想の形に1番近いのは(多分)伊達工で、翌年の脅威として描かれているのもいい。


もはや伊達工のレベルの高いブロックには従来のような日向の囮は通用せず。ブロックに飛んだ青根にぶつかった二口が再び体を痛めているのもかわいい。そして烏野の取る策、「紛れる」。日向とコーチで考えていることが同じというのもちょっと好き。「紛れる」といえば、白鳥沢戦最後のバックアタック


もはや勝ち抜いた相手であるはずの伊達工にも、チーム組み立て途中の烏野は苦戦していて、依然学ぶ余地を残しているというのもすごく好き。そして翌年編への希望も感じた。2年生編、3年生編、そしてそれ以降も読みたいなーと思った今週でした!