ハイキュー‼︎第237話「成長期」

日向、月島、田中の扉絵。食べ物の感じがマンガっぽい。かわいい。普通サイズのおにぎりを食べる月島の横で特大おにぎりにかじりつく日向いい。そしてここで烏養コーチも描かれるところが好きだ〜!日向のように大きな口を開けて「よく食べろよ〜!」と言わんばかりの表情で特大のお肉や魚を両手に用意してくれている様子が、そのまま作中のコーチの役割というか、仕事っぷりが出てる感じ。

 

 

日向の球拾いの成果が現れつつある?!ディグから。影山と西谷がいち早く反応しているのがいい。そしてフォローに入る田中。田中は本当にさりげなく、そして何度もこういうプレーが描かれてるんだよね。元々の身体能力の高さなのか、無理っぽいボールを生かしてくれることが多い。再読時に更に好きになるキャラナンバーワン。田中が繋いだボールを旭さんが押し込んで烏野ブレイク、ようやく同点。田中が日向を小突いていたり旭さんと大地さんがハイタッチを交わしていたり影山が日向のことをジトッと見つめていたりというのが1コマで同時に起きてて面白い。観客席のカップルがすっかり見入ってしまったのか「やっと決まったぁ〜」「長いラリー疲れる…」とかってこぼしててかわいい。見知らぬ人の試合にここまで感情移入してくれるのうれしいよね。ちょっともう今後の全試合の観客席にいてほしいと思ってしまっている。

 

ベンチの心臓弱い組山口と木下が日向のディグに心臓を踊らせる。対して西谷は、日向が「わかって」あそこにいたことをわかっていた様子。これは流石優秀リベロという感じ。スポーツ見てると思うけど、選手の上手い下手が分かるっていうのもなかなか一定のレベル以上の人じゃないとできないことなんじゃないかなーって。まぁこの上手い下手っていうのは、競技をやっているやっていないくらいのラインにあるものなのかもしれないけど、やらない人にはやっぱり上手いプレーってどんなものかって見ててもそうわからない気がする。というが自分がそう。派手なプレーなら別だけど、リベロのように基本的に地味に仕事を完遂すること、目立たないことが上手さ、というような場合だと結構そういうところあるんじゃないかなーと思う。

 

惑わされずバックアタックと見切る月島。が、強打でなくプッシュで前に落とされる。やっぱり椿原も当然のように上手い。日向の2回目のいいディグ!気の抜けたすごいいい顔してるwまだ完璧ではないために弾いたボールを大地さんがフォロー。日向も成長してるんだけどその根底にはいつも頼もしい先輩たちのフォローがあるんだよね。日向のレシーブの時には掠れた文字で効果音が付いていたのが、大地さんの時には綺麗な書き文字で表現されているのも新しくて好き。2段トスを田中が上手く「ムカつく」ところに返す器用さ。田中の過去エピソードがちょろっと描かれたのは意外。体験入部の時の様子。髪も金髪?なのかな。以前出てきた回想では中学時代地毛だったと思うからこの時だけ染めてたのかな。印象としても今より随分トゲトゲしている感じ。3年生の反応が軒並み優しくてびっくりだけど。これまで既に出ていた情報でも、田中は2年の中で唯一部を離れた時期がなくて、3年生との絆みたいなものでいうと、他の子達と比較してもより強いものがあるんじゃないかなと考えてたんだけど、今回で体験入部からの仲っていうのが明かされたわけで、やっぱり3年生にとって田中はちょっと特別、という考えが補強された感じ。

 

椿原のセッター越後が影山にファーストタッチを取らせることで多彩な攻撃を封じる。やっぱり烏野の攻撃の根本にあるのが影山の超絶技巧だから、これができればひとつ有利っていうのはあるのかな。睨む影山、このヤロ〜って顔をするコーチ、イイ顔した越後。セッターたちはいい顔するな〜!で、これまでだとどうしても攻撃が単調になってしまったりだとか、アンダーで無難にセカンドタッチしてつなぐというので精一杯だった場面なのかなと思うんだけど、今回新しいのが、月島がオーバーでトスを上げる。これはすごくグッときた。月島が回想しているように、思い出すのはやっぱり強化合宿の2vs2。いいなと思ったのは、あれって月島が苦手なオーバーを克服しようとかトスを習得しようと思ったわけではなくて、所謂修行、特訓みたいなことはしてないんだよね、日向のレシーブみたいに。ただ月島が「やったことのないことにも挑戦する」という選択をできたことが熱い。トスを上げるという自分の役割外の、それもあまり得意ではないことに取り組む意思を持つようになったっていうのがいいよね、「無難」以上という感じ。「少しのぎこちなさと最大限の丁寧」というモノローグもいいし。「ぎこちない」って、以前の月島の価値観であれば「かっこ悪い」もので、選択されなかったのかなと思うけど、今はそうじゃない。いいなー。絵的にも美しい。大型セッターというと黄金川を連想するけど、影山がトスを上げられない時に月島が高いレベルでそれを出来るようになったら見たいと思う攻撃もたくさんあるし、単純にそれができたら強いんだろうし。見たいのは月島トスの影山のスパイク。

 

月島のトスに助走に走った旭さんが「うわ なんか 感動」と零しながらしっかり点にしてくれたのも熱い。旭さんと月島の関係というのも少し特別なものがあるのかな。2人の間に何か特別な話が描かれたことはないんだけど、インターハイ予選の時だとか東京合宿の時だとか、月島は案外旭さんに向かって弱音を吐くというか、本音をこぼすということが多いよね。観客席のカップルに「サムライ」と呼ばれていたのは笑ったけど。月島が自分のトスに満足いっていない様子もすごくよかった。もともとすごい負けず嫌いな子だもんな〜。それでも解説には「打ちやすい良いセットアップ」と言われてたり。普段から影山を見ているというのもあるし、強化合宿での経験が月島にとって蓄積されているから自分に求めるもののレベルも高くなるというのもあるのかな。「ああいうのがちゃんとできるかどうかでチームとしての完成度にも差が出てくる」というのにもすごく納得。

 

そしてこの月島のセットアップに影山が悔しいって顔をしてるのもすごくいい。影山は向上したいという意思が強いから誰に対してもフラットにライバル意識を持っていて、それが彼の素でもあるんだけど、だからこそ心地よい。

 

そして田代さん、黒川さん、旭さんの視点から改めて各選手の「成長」が描写され、引き。ラストの「インプット」している日向もいい。本作は練習描写が非常に丁寧に積み重ねられるからこそ、その練習の成果を「本番」の試合でアウトプットした時に得られるものの大きさについても説得力があって、そうやって烏野は強くなってきたんだもんな、と実感できる。今週も当然のように面白かった…。また来週。