ハイキュー‼︎223話「刺刺」

扉絵。北川第一。自主練に励む影山、少し気にしている様子の金田一、特に興味なさげな国見。ちょっと示唆的。

影山の「西谷さん 邪魔っス‼︎」から。意図を知らない西谷が影山に寄っていく。自分のプレーに自信を持っている西谷だからこそっていうのはあるよね。で、影山。「バック・アタックの邪魔してます」思い当たる節があった西谷はすぐに納得。この辺りの話の早さは変にヒヤヒヤしなくて済むのでよかった。西谷のレシーブがスパイカーの助走の邪魔になっているんじゃないのかというのは、その前にしっかりユース合宿で古森の「スパイカーの助走を邪魔しない配慮」というのが描かれていたので、納得。この前の場面でもちょっとそれっぽい、旭さんの助走の邪魔になっているようにみえるプレーがあったし。で、まあ問題は田中の言う通り「言い方」だよね。言っていることにどれほど正当性があったとしても、人間と人間でコミュニケーション取り合ってやっていく以上は当然気にしなきゃいけないよね。試合中でどうしてもシンプルで簡素化された言葉を使うことになるというのもあるんだろうけど、意図を共有していない相手と適切にコミュニケーションを取っていくことは、今後別のチームでやっていくことを考えても必要なことであり影山の課題になるっていうのはわかるなぁ。

金川から見た影山。「余裕のない体勢から高すぎず低すぎず近すぎず遠すぎないトス」。「どんくらい練習したんだ」って見方はちょっと新鮮な気がする。作中の影山の評価でいうと、初期及川は「天才」っていうのが大部分を占めていたし、「練習によって身につけた」という見方はあまりなかった気がする。もちろんめちゃくちゃ努力をしているのは作中のキャラクターも十分すぎるほどに分かってると思うけど、同じポジションの上手い選手たちだからこそ、影山のトスの精密さに関して努力で自分も到達できるのか?って部分についてはわりとシビアに考えてるのかも。黄金川自身がきっといっぱい練習して努力しているけれどもやはり初心者であるからこそそういった見方になるのかなという感じはする。意地悪な見方をしてしまうと、「いっぱい練習をするとあそこまで到達できる」と認知することは必ずしも幸せなことではないかもしれないなとも思ってしまう。いや、どうだろう。分からない。「天才」の影山と、多分「天才ではない」黄金川の間でどうしても揺るがない壁のような、ここから先は天才しか到達できない領域、というのはないと思う。それは、「機械みてえ」なトスにおいて必ずしも影山を黄金川が上回る必要はないから。さらにそれはなぜかといえば、セッターの能力はそれだけではないから。だから黄金川は「機械みてえ」なトス、という点に関して影山に努力で追いつくことはできないかもしれないけど、追いつかなくても別にいいんだと思う。黄金川が影山の機械みたいなトスを上げることができない(かもしれない)のと同時に、影山も黄金川のように高い位置からのセットアップという点では黄金川には敵わない。セッターとしてどちらが優れているってきっと各能力だけじゃ見れないし、そのチームにおけるそのセッター、っていうのを取り上げたときにはじめて見えてくるものなんだと思う。更に突き詰めていくと「6人で強い方が強い」というところに落ち着いちゃうな。セッターって特に違うチームにいる選手たち同士を比較するのって難しい気がする。チームとの相性の要素が大きい。

そして伊達工。恒例の3年生応援。二口が「もっと声出して」と主将らしい一面を見せたかと思いきや、「相手にプレッシャーかけんだよ!心折りに行くんだよ!主審に目をつけられない程度に!練習でできないことは本番でもできないぞ!」と鎌先さん曰く「クソ野郎」発言を爽やかにこなす。この二口のバランスがめちゃくちゃ好き。これでこそ二口。当然二口の言うことは間違ってないし大事なことなんだろうね。伊達工は体格も良くてブロックの圧もすごいし、精神的にも負荷を掛けることでその威力が増すというのはよくわかる。

二度跳びできるブロックをサボった月島に対して影山が喝。山口がいちいち解説しているのが面白い。かわいい。月島は「言われなくてもわかってることを言われるとカチンとくる」。日向にまで「他のやつの言うことはもうちょい素直に聞くのに」とか言われてるのは笑った。まぁこれはある意味通常運転。まぁこれは月島が悪いかな?笑  当然試合でやることは練習でもやるべきだよね。

そしてなかなか決めきれない旭さんに影山が「じゃあ決めてくださいよ」と。キタ。ピリピリしてるなー。ちょっとこわい。旭さんが口に出さないセリフがミソという気もする。要は旭さんも自己完結しちゃうっていうのがあるんだろうね。文句を言いたい田中と止める大地さん。何か思うところのある様子のコーチと日向。この2人から何か期待かな。