ハイキュー‼︎第330話「エースのさだめ」

胸部レシーブで会場を沸かせる木兎さん。笑 こういう、気付いたら会場を味方につけてしまうようなところって選手として強みでもあるんじゃないかな、ってすごく思う。というところで沸き立つ観客の言葉をぶった切るように桐生のスパイクが決まる。木兎さんのああいうのって天性のものでもあるなと思うし、私は彼を贔屓して見ている読者なのでやはりそこを愛しているわけでもあるけど、木兎さんがどんなに客沸かせたって「只者じゃない」と言わせたって関係ない、とばかりに力強い一発を決めていく桐生というのもすごくかっこよくて、「3本の指エース」の1人がこういう選手であったということが嬉しい。



「ただバレーボールをしにくる」奴ら、やはり「バケモノ」と近いところにあるものかなと思う。木兎さんは「バケモノ」なのだろうかということを何度も考えたことがあって、今回のこの桐生の表現がそのまま「バケモノ」に当たるかというとそれは分からないけど、やはり近いものではあるんだな、ということを「エース」の話の中でこうやって知ることができて、それがすごく良かった。



木兎さんはきっとこれまでもサーブで狙われ強力なブロックに阻まれ何度打っても拾われて、というのは何回も何回もあったはずだけど、やはり勝ち進めば勝ち進むほど相手も強くなって、求められるレベルは上がっていく。この試合では赤葦くんの話が何か描かれるんだと思うし、その中で木兎さんも大きく関わってくるのかなと思うけど、木兎さん個人の話としてもこれからより上位のカテゴリでバレーボールをしていく一選手として、「エースのさだめ」をどう受け止め向かっていけるのかっていうことに関して何か大きなきっかけが得られたらいいなと思う。



赤葦くんが、なんとか木兎さんが調子を落とさないように、とかノせないと、っていう意識がきっと他より人一倍強いセッターだということを、狢坂の選手たちもきっと分かっている中で、木兎さんはサーブで狙われストレートもクロスも決まらないっていう状態で赤葦くんがツーを選ぶの、めちゃくちゃ「想定内」なんだよね、多分。ツーって黄金川のやるみたいなの以外は「不意打ち」ということのほかはただの軟打と同じだと思うし、だからこそ「今かよ」っていう奇襲感が重要なんだと思う。今回の赤葦くんのツーは、動機が分かりやすすぎた。だから外から見てると「今のはちょっと気持ちがはやったね」で終われるけど、赤葦くんからしたらエースに決めさせてやれずツーも跳ね返されて、って気持ち的にはきついよな〜〜。エースが気持ちよく打てていないっていうことは梟谷においては「現状としてエースの点が入っていない」というだけではなくて「このまましょぼくれたら今後の得点に大きく関わる」ということがまた怖い。何もかも詰んだわけでは全くないから突破口はあるはずだけど、試合開始前の赤葦くんの回想で見たような色々と背負っているものの重さがまた苦しい。



どうなるかな〜!春高に来てからは、田中や西谷(+ちょっとタイプが違うけど研磨)なんかもそうだけど、2年生が周りから支えてもらって言葉をかけて貰いながら、自分できっかけを掴んで殻を破るところをすごく見てきているので、赤葦くんにも「嫉妬しますね」の先が見えたらいいなあ。それにしても今週の赤葦くんはいい表情しすぎていて良かった〜〜。最後の顔、めちゃめちゃキタ。笑 ツーアタックを止められてしまうあのコマの絵の美しさもすごかった。推しのピンチは辛いけどそれ以上にここまで描いてもらえるんだという感謝が止まらない。古舘先生ありがとうございます。



年内ジャンプあと2号!梟谷戦、年またぐかな〜〜。頑張ってる人に頑張れというのもあれなので……。赤葦くんが大きくなるところが見られますように!