ハイキュー‼︎第321話「禽獣角逐」

今週。モノローグやセリフは少なめで、非常にスピーディに試合が進んでいく。これがまーーー面白い。本物の試合を見ているかのよう、というよりは、こんな風に試合が見られたら楽しいだろうな、と思う。あ、研磨がツーを打つ、日向触っちゃった…!西谷ー!?って、ひとつひとつのプレーの意味をちゃんと把握しながら、そしてその後考えられるプレーを予測しながら実際の試合を見ることができたらめちゃめちゃ面白いだろうなとすごく思ってしまった。



日向は指先を触れてしまい、「2人の反応の速さが仇に」から、西谷の足レシーブに繋がる流れがとにかく気持ちよすぎる。「仇に」なるだけではない。集中が研ぎ澄まされ全員が試合に、プレーに没頭しているこのコートの中でこそ起こる「ミラクル」。コートの内も外もネットのあっちもこっちも全員大興奮、な様子になんだか泣けちゃう。泣くようなシーンじゃないのにね。これは試合で、勝ち負けがあって、ネットのこちらにいる人と向こうにいる人の間にはやはりハッキリと境界が存在する。だけど西谷が足でレシーブを上げたこの瞬間、この試合の中にいる全ての人がバレーボールの面白さの中でひとつになるみたいな感覚にやられてしまう。



ただその中でも「思考しろ」という独白が入るのがハイキューらしいところで、先生の描くバレーボールは、どこまでいっても「思考」を放棄することを許さない。



で、「レシーブでブロックを誘導」。早流川戦でみたやつ。これが大好きなんだ〜〜。「早流川戦でやったやつ」というよりは音駒が普段からやっていることなんだろうけど(確かそういうセリフもあったはず)。音駒のフロアディフェンスのレベルの高さ+研磨のトスの動きの小ささがこの作戦とすごく相性が良いのも感じるし、これが外から見ると「レシーブ乱れてる」と見えて、わざと「守備のうまい音駒」のイメージの正反対をいく作戦になってる、この騙された感がめちゃくちゃ気持ちいい。笑



山口のサーブでレシーバーに膝をつかせ月島がワンタッチを取る、からの「打点高い」の流れもまー熱い。山口月島のサーブ&ブロックは言わずもがな、伊達工との練習試合があったからこそのこの「打点」で、(今回はちょっと失敗してたけど)1年生3人でこれを見られるのがとにかく嬉しい。すごく未来を感じさせる流れだったなあ。



対する音駒もやられてばかりじゃない。虎がオーバーで取ってスパイクを決める、という当たり前のレベルの高さよ。エースがジャンフロをオーバーで取る、そこから攻撃に入る、ということを当然のようにやれるのがやはりすごい。強いよ。



スガさん投入。控えの3年生がコンセプトの最先端に立ったモノローグを語るというのがたまらなくいい。部員の数が少なかったり選手層が薄いことってやはり烏野にとっては避けては通れない課題の1つだと思うし、そういうのって勝ち進んでいくごとにじわじわ効いてくるんじゃないかなと不安になったりもするんだけど、少ない人数の中で皆が同じコンセプトを同じ熱量で共有している強さというのもまた烏野を見ているとすごく感じる。「烏野ならありうる」は、ずっと烏野が攻撃参加意識を高く持ちコンセプトを貫いてきたことを何より証明してる。



以前教わった「攻めた結果のネットイン」を自分の知識にしている冴子ちゃんもよかったなー。読んでいる方としてもこういうのってすごくあるなー。ハイキューで読んだ知識をもとにハイキューを読んでるもんね。



ネコチャンはワンチャン投入、で、次週。なんだけど表紙&巻頭&増ページに驚きまくってる。月の輪ぶりかなー。このあいだの単行本2ヶ月連続刊行の流れを見るに、先生の希望なのかなーとか思うけど…。でもとにかく楽しみです。と共に先生の体のことに関しては本当に、本当に、無理をなさることがありませんようにと祈っております!