ハイキュー‼︎第300話「わくわく」

300話!おめでとうございます!ちょうど半分の150話ってどのあたりだったかなと思って調べたら、白鳥沢戦プロローグの回だった。やばすぎる。白鳥沢戦なんて本当についこの間という感じなのに、白鳥沢戦前までと白鳥沢戦以降で今同じ話数…

 

 

影山サーブ。マブダチ自慢の千鹿谷くん。影山は意外と(意外でもない?)ちゃんと覚えてるんじゃないかなあ。直接絡んだことはない黄金川の名前も、ちょっと惜しかったけど一応知ってたし。千鹿谷くんはユース合宿ですっごくお世話になったんだろうしなあ… それに、そもそも「合宿でたまたま一緒になった」のとは訳が違うもんなあ。それぞれ将来日本を背負うかもしれない選手たちの候補として選ばれ集った子たちなんだし、実際合わせたり練習試合をしたり?しているんだろうから影山はちゃんと覚えてる気がするなあ。

 

 

グリって曲がるサーブ!何だこれ!こういうのは特に名前が付いているわけではないのかな。横回転を掛けたジャンプサーブ?今回はアウトだけど、というとこだよね、海さんの表情が何よりそれを物語ってる。影山は本当に、今やれること・その次にやるべきことをしっかり固めた上でその次・あるいはその隣、とガンガン手を伸ばしていく、その向上心とか探究心がやっぱりすごい。元々持った資質、才能と呼ばれるようなものの華やかさに目がいきがちだけど、やっぱり努力の子だと言いたくなるな〜

 

 

リエーフ、サーブ。アウトだけど前とは違う、しっかり意図を持ったサーブ。戸美戦の時なんか、入った!ハズ!なんて言って喜んでたのにね。リエーフや月島のような子が、今はサーブで大活躍というわけにはいかなくてもちゃんと意図や考えを持ったサーブを選択するようになってきてるというのがすごく嬉しい。

 

 

田中サーブ。が、拾われ、綺麗に黒尾が得点。虎がサーブ。黒尾のアップの背景で虎がサーブ、の絵の気持ち良さがすごい。田中のレシーブはネットを超えそう・・なところで、影山ワンハンドトス、日向が打つ、のに夜久さんが上げてる…けど旭さんが音駒の攻撃をブロック。もどかしい場面もあったりするのに、なぜだか爽快感があるな〜。黒尾は額に怒りマークを浮かべてるけど研磨は「わく」な違いもいいよね。研磨はこういうのがあるから日向のことが面白くて仕方ないんだろうなあ。

 

 

「ネット超えるならAパス要らねえスよ!」はユース合宿でも出た話だよね。Aパスにこだわらなくてもいいですよ、という思いやりというよりは、「超えるくらいなら」と限定して「アタックライン近辺に」と具体的な要求をした上で、あとは自分がどうにかできる・するからそれで十分、という話し方をしてるのがいいよね。本当にぐっと成長してるんだなあ。言葉は少ないけど言うべきことはしっかり言ってる。本当に頼もしいし、カッケェなこのヤロ…‼︎だよね。

 

 

それを聞いた研磨の「よそはよそ うちはうちです」という話し方がちょっと自分の中で新鮮かも。かわいいな。でも研磨がこれを言うっていうのはすごくしっくり来て、研磨は多くのセッターが目指すであろう理想的なセッター像(としてある程度共有する一定のライン)みたいなものに興味はないんだろうし、研磨の強み、音駒というチームの強みを考えても、こういう風に割り切れるっていうのはいいことだなあとすごく思う。

 

日向、サーブ。そこから繋がった烏野の攻撃、大地さんが助走に入ってる→日向に上げるか…?→「逆サイドへ大きく振って」旭さん!の流れの気持ちよさがま〜〜やばい。視点は烏野側からだけど、翻弄される音駒ブロッカーのそっちかよって気持ちがよくわかる。しかしそれでも音駒、拾う。やっぱ福永くんがしばしばいい仕事してるんだよね…動体視力的なものがすごくいいのかな。足で上げる黒尾にもなぜだかめちゃくちゃときめく!いつも綺麗にさらっとレシーブを上げる音駒だからこそ、こういう泥臭いっていうのかなあ、ガツガツした感じが見えるとすごく興奮する。月島の嫌そ〜な顔が最高!笑 が、ボールはネットを超えず、ここは烏野の得点に。小さい黒尾がゲーン‼︎てしてるのがかわいい。

 

 

「決まったー!」って思ったら「まだでしたー!」ってやつ、読者の気持ちを見透かされてるのかと思うくらい、本当にそうですという感じ。笑 漫画の中の人物たちが体感しているように読んでても感じられるっていうのはやっぱりすごいよね。

 

 

で、解説の人の言葉がまたいいんだ〜。「ムチャブリ」ってワードからはやっぱり中学時代の影山のことを思い出すけど、今はそうじゃない。影山は技術的にもセッターとしての態度という意味でも、めちゃくちゃ成長したし大きくなったけど、根本的な部分はいい意味で変わってなくて、今烏野で間違いなく影山の強みになってる。「攻撃力の高さは攻撃意識の高さ」という言葉もいいな〜。優れている(とされる)スパイカーがコートに4人揃っていても、1プレーという単位で切り取った時、実際に打つ1人だけが「攻撃に行く人」で、その時他のメンバーは「攻撃に行かない人」になっちゃうとしたら、きっとすごくもったいないのかなと思う。だけど烏野は常に皆が「俺に上がる(上がれ)」と攻撃に入るし、烏野の強みであるその攻撃意識を支えるのが影山自身の攻撃意識の高さ。そして何より「ちゃんと打ち易そうというのが素晴らしい」、これに尽きるよね!今週のハイキューはだいぶ、先生のバレーへのこだわりだったり、譲れないところ、みたいなのがすごくハッキリ見える回だなあ〜!

 

 

「ここでは無くホームのような場所で試合をしているような雰囲気」、これにどうしようもなくときめいてしまったよ!烏野も音駒も、いつかこの地でと目指した春高東京体育館。今それがまさに実現しているわけだけど、第三者からは「ここじゃないところで試合しているみたい」と表現されることにめちゃくちゃグッと来てしまった。「ホームのような場所」という表現にも、今の烏野音駒の子たちの交流の歴史が感じられてじわ〜っとくる。

 

 

が、その中でやはり1人違うのが研磨。ただただ烏の羽を捥いでみたいという、幼くて素直で残酷な願望。集大成、因縁の勝負、3年生の引退に然程興味はないという研磨ってやっぱりこの作品の中ですごく浮いた存在だなと思う。テレビで小さな巨人の試合を見たあの日、バレーボールに恋に落ちたみたいにのめり込んでいった主人公の日向の「ラスボス」が、そのバレーボールを特別好きでも嫌いでもなく、続ける理由も辞める理由もないからずっと続けているという研磨である、っていうの、やっぱめちゃくちゃすごい。研磨って、この世界のキャラクターたちの多くが「大前提」として持っている何か、生まれてくるときに作者によって平等に与えられた何か、を唯一与えられなかった子なんだと思う。反対に言えば、それはこの世界の中でただ1人研磨にだけ与えられたものでもあって、つまりそこにこそ研磨(と日向)の物語がある。それが何かっていうのを言葉で言い表すのは今は難しいけど、好きでも嫌いでもなく「どちらでもない」まま、やる理由もやめる理由も持たないまま、少しもどちらかに傾くことなく続けて来れちゃうようなところ。日向は研磨がそのどちらかに少しでも傾くのを見たいんだろうし、きっと黒尾もそうなんだよね。(黒尾はどちらかに、というよりは、自分と同じ方に傾かないだろうかと思ってるところがあるのかなと思うけど)

 

 

研磨は日向を見ているとわくわくする、攻略したいと思う、でもいざ攻略しちゃえたとしたら、羽を捥ぐことができちゃったならば、「別に」以外の言葉を、日向は研磨から聞くことができるんだろうか。研磨はそれでもまだ日向にわくわくできるんだろうか…

 

 

今週この引きでタイトルが「わくわく」なのが最高だ。研磨と日向の物語とその結末をついにこの試合で見られるのだなという実感が本当にない。これに関しては本当に予想もなにもできないので、本当にただただ楽しみに(怖さ半分だけど)待つだけ!あわよくば、研磨に別に以外のことを言わせる日向がいますように、見られますように。