ハイキュー‼︎第308話「針と大剣」

さらに続くラリー。烏野コートを睨む音駒の目が良いな!ハイキューでは「妖怪」とか「バケモン」って言葉で括られる人間っていうのは限定されてるけど、音駒はまた違った文脈で「妖怪」っぽいんだよね。目の前の一本のために助走に入りジャンプをする、それをラリーが続く限り決してやめない。めちゃくちゃに苦しいけど、そうやって常に目の前の一本を全力で取りに行き1点を取ること、積み重ねていくことがいつも1番有効な方法である。「目の前の一本」こそが最後の一本であるような感じ。「俺一人が攻撃に参加しなくても誰かが打つ」、みんながそう考えたとしたら誰も攻撃に参加しない・誰も打たないっていうことになるっていうのは当たり前の話だしそれは極論なんだけど、それだけではなくて、「誰かが」と、誰か1人でも考えた時点で烏野のコンセプトは成立しないんだよね。常に全員が「俺が」と思っているからこそ、相手だって「誰が打つんだよ」と迷う。そしてこのラリーを最終的に決めたのは田中。今試合田中の攻撃機会が多いような気がするんだよな〜、気のせいかな。コーチとドーン‼︎してるのがかわいくてたまらんかった〜!!!



大将の口ぶりから察するに、戸美は音駒と試合したことが何度かあるのかな、このあいだの東京代表決定戦だけではなくて。「絶望するようなスパイクやサーブが飛んでくるわけではない」のに、気づかないうちに針でちくちくちくちく「つつく」のを常に、そしてあらゆる方法でやり続けるのが音駒。そんな音駒について語る大将に「優音駒きらいだねえ」と楽しそうにしてる美華がやっぱめちゃくちゃかわいいよな〜。音駒のこういうとこが嫌いなんだよって語る大将が生き生きしているのが見てて楽しいし面白いんだろうな〜。



そして「見ている方も息が切れそうな攻防」という実況解説の言葉をぶち切って、影山のサービスエース。かっこよすぎる。この流れガン無視っぷり!セリフも音もない。長く続くラリーの中で、苦しくても一切手を緩めないということが実は勝利への近道である、ということを描いた後の、何にも阻まれることのない「最強の攻撃」であるサーブによる1点。音駒の「針」がちくちくつついてくるのもまた厄介だけど、烏野の「大剣」の威力も半端じゃない。



音駒TO、「うちの研磨くん」かわいい。笑 でもかわいい中でも烏野へのリスペクト、そして自分たちへの誇りがそこかしこに感じられていいな。黒尾も「相手は烏野」を分かった上でこう言ってるよね。きっとどんなチームでも、セッターとしては「とりあえずアンダーで」を多用しないのが本当は望ましいはずなんだろうと思うけど、音駒はそういう研磨を許容してるし、何なら自分たちの守備力の高さがあって初めて「そういう研磨」が成立することも、「そういう研磨」によるゲームメイクこそが最も音駒の強さを生かすことができるということも知っていて、だからこそこういう風にイジれるし、余裕がある。



「音駒返すだけ」じゃないんだなあそれが、と言った具合でまたも烏野の前に落とす研磨。「曲者」評にときめく。しかし烏野も何度も同じ手にやられてはやらない。



「無限の体力なんかない」し、「すっげー疲れる」けど、日向はとぶ、「別腹」だから。理論を超えていく感じというか、「当たり前」をまるっきり覆すのではなくて、抜け道をゆくみたいな感じが気持ちいい。日向の「ジャンプ」への執着・プライドっていうのが32巻分描かれていて読者としてもよく知っているので、別腹ですって飛び込んでいく日向の絵というのがまたしっくり来る。そうだよな、日向はとぶよな、って。烏野は音駒に4点差をつけて、ついに10点目!「無限の体力なんて無いのは俺たちも同じ」の研磨、音駒はどうするのかなあ〜〜、で、また次週!