ハイキュー‼︎第249話「喧騒と静寂」

公式WU。言わずもがな全員のレベルが高い。そして「ラスイチ」は宮兄弟による「幽体離脱時間差‼︎」笑った。別に時間差ではない。ある意味ファンサービスというか、「アイドル」人気の所以なのかも。会場を味方につけるという意味もあるのかな。ただパフォーマンスとはいえ作中で言及されているように、セッターが打っているのもスパイカーがトスを上げているのもすごいんだよね。試合中も使う可能性があるということだし。烏野WUの日向を見た稲荷崎・アランくんがよく跳ぶな、と言っているのがうれしい。「ヘタクソ」かもしれないけど、日向の跳躍力自体は本当に、ホンモノなんだなぁ。ちらっと映る観客席カップル。ワクワクした様子の彼女の方と反対に、彼氏がぶすーっとしてるのがかわいい。

 

 

 

そして試合開始。稲荷崎の「3年連続31回目」から漂う歴史のある強豪感。烏野は「5年ぶり9回目」。何度か話題になってるけど、ミスじゃなくてこっちで固めたみたい。「烏野は1度だけ全国に出場経験あり」設定だったのが、かなり大幅に変更。ローテーションのミスがあれば可能な限り修正されるし、白鳥沢戦の時の得点のミスもかなり謝罪された上にすぐに訂正されてた。ので、記憶違いとかミスじゃないんでしょうね。何か理由があっての変更。なんだろうなぁ。これは何か描写が入るんじゃないかな。

 

 

 

そして武田先生による鼓舞。「誰も烏野が白鳥沢に勝つなんて思わなかった」「また皆をびっくりさせましょう」これはめちゃくちゃ頼もしい。経験が自分たちの強さを肯定してくれる、信じさせてくれるというのは強いよね。東京合宿の時に「皆さんはここにいるチームの中で1番弱いですね」という前置きから「弱いということは伸び代があるということ。こんなに楽しみなことはないでしょう」と続けた武田先生の話が非常に印象的なんだけど、今回の先生の話にも通じる気がする。現状に対する不安や、格下であることを否定しないけれど、そのこと自体が励ましになるというような。今回の先生はめちゃくちゃかっこよかったなぁ。

 

 

 

スターティングオーダー。先週取材を受けていた主将の北くんは控えで、コートキャプテンという形でアランくん、ということらしい。初めてのパターンかな。北くんはキャラクターデザインも凝っていたというか、「モブ」っぽい感じじゃなかったのでここも何かありそう。「MBとしてはそこまで大きくない」と紹介されていた角名の身長が185cmだったので若干ショックを受けた。大きくないのか、そうか…。この画面を見ていて面白いのは、稲荷崎に比べて烏野がやっぱりデコボコなんだよね。枠をめいいっぱい使う月島の隣に、大きく枠を余らせた日向がいる。で、スターティングオーダー、烏野は白鳥沢の時と同じ。

 

 

 

試合は宮侑のサーブから。豪華なブラスバンドを背にサーブ位置に立った、と思ったら、キュッと手のひら1つで演奏を止める。これはかっこいい。で、双子コーデ、うちわ持ち女子の「そおおおおおおれっ♡」。ベンチメンバーかな、ギョッとしていたり、治の方がアララ、とこぼしていたり、というあたりでちょっとまずそうな感じが読み取れる。サービスエースを決めるも、「俺のサーブの邪魔すんなや この喧しブタ」と心の中で悪態を吐く宮侑。サーブのときは静かにお願いしますと声かける応援団と「テレビでよくやってるやつじゃん」と返す女子たち。これねー。宮侑の感じも、ちょっと今までにはない感じ。言葉遣いとかは最悪だけど、心の中で言ってるだけだし、というのがちょっと微妙なとこ…。表情に滲み出てるけどね。ただ彼の怒り自体にはきちんと正当性がある。こういった女子ファンの応援がいいか悪いか、みたいなものに客観性は多分必要なくて、選手が邪魔だと思ったらやはりそれは応援ではなくなってしまうし、止めるべきなんだろうなと思う。このシーンが今までの彼の描写の積み重ねから、「性格が悪い」「ゲスい」「ドS」「俺様キャラ」とだけ、解釈されてしまうのはもったいないように感じる。彼が自分のパフォーマンスを高めたいというストイックさの表れだと思うし。アスリートとして「ゾーン」に入るための儀式みたいな。部活としてもスポーツとしてもこの春高バレーという大会は、コートに立つ選手・ベンチの控え選手・応援席にいる選手たちのためのものであるべきで、その選手の望むもの望まないもの、というのは1番に尊重されるべきだと思う。この先の描写を含んだ一連の流れって、問題提起をしつつもどれが正解とは言ってないんだよね。あの女の子たちは応援団の人に注意をされて、その後の返答の仕方からも「確かにこの応援ってちょっとどうなんだろう」と投げるだけで、結論づけてはない。更にその後の応援団の行動っていうのを見てみると、相手チームである烏野に対してブーイングをするんだよね。状況とか文脈を考慮しないで、この「ブーイング」という行為だけを見ると、やっぱり印象としては良くはない。「あの女子たちは注意されたし、確かにその注意に納得もいく。でもこの応援団のブーイングもどうなんだろう」という観点が次に出てくる。これに対して烏野の子たちも、実況解説も、特に反応がない。それもミソなのかな。普段は不安や緊張が表に出ることの多い旭さんも「!」という反応だけで、サーブミスこそするけれども、ブーイングの影響と明確に読み取れるわけではない。女子たちの応援も、稲荷崎応援団の応援も、正しい正しくないって結論づけられてはないわけで、この1話で問題提起というか、応援って何だろう?みたいなことをちょっと考えちゃった。状況によって意味合いや重さが変わることは分かっていながらも、「春高バレーでブーイングという応援がなされること」が批判されるとしたら、どこが批判されるのか、っていうのを考えてみたりもしたんですけどまぁ答えが出ない。これについて考えた時に同時に上がりそうな言葉として「スポーツマンシップ」があると思う。で、「ブーイングはスポーツマンシップに反するから肯定できない」と考える人は一定数いるんじゃないかと思うんだけど、でもその「スポーツマンシップ」がわからない。めちゃくちゃ曖昧な概念だと思って、少し調べると「競技相手審判に敬意を払うこと」「フェアプレーに徹すること」とかって出てくるけど、もうそれ自体が曖昧。わかんない。ちょっとこれはこの1週間考えるかなぁ。正解はないというのが前提として。

 

 

 

実況解説。「東西セッター対決」にめっちゃ燃えた、ところで、日向のドンジャンプ!絵がすげぇかっこいい!と思いきや打つのを忘れてしまう。なんじゃそりゃ!?笑「稲荷崎相手に実験ブッコむ」ような日向の「大概さ」に気づいてもらえてうれしいです。現時点で完成しているもの、成功しているものをすぐにぶち壊して、もっともっと、とぐんぐん進んでいく様子はやはり主人公っぽい。それでこそ日向。

 

 

 

 

 

来週周年表紙&巻頭。250話記念も兼ねてるみたい。たのしみだー。