ハイキュー‼︎第316話「ライバル・2」

音駒は海さんに代わって犬岡くんをコートへ。意味不明な言葉で通じ合っている「ドッグラン」日向・犬岡くんへの愛しさが止まらない。先週月島が言っていた「日向の滞空時間の長さ」に関しても研磨は既に対処法をメンバーと共有してる。そして「楽しそう」なスガさんがほんとにかわいい。



大地さんと日向のやりとりがすっごくすっごく良かった。レシーブの快感を知った日向だけど、ひとつのレシーブひとつのプレーだけではなくて、試合の中で重視すべきことって何だろう、という点に関してはまだまだ経験も知識も足りないところがある。バレーボールという競技の中では、当たり前だけどレシーブを綺麗に上げられた選手が勝つのではない。先に25点に到達した方が勝つ。練習を通して得た成果を「1点」に繋げていく方法をより知っているのが、3年生で試合経験も豊富な大地さん、っていうのはすっごく納得できるし大好きだ。



赤葦のモノローグもまたよかった。これもまた「嫉妬しますね」の時の言及の仕方と少し似ていて(あの時ほど感情を乗せた言い方ではないと思うんだけど)、「崖っぷちでなお目の前の"面白そうな事"に喰いついている」相手に対して自分をどう位置付けているのか、って考えるとやっぱり、自分は喰いつかないからこそこう発言するんだと思う。赤葦が自分のことをそう捉えていることも、赤葦がそうであるということも、何も悲観的に見るようなことでは決してないんだけど、「嫉妬しますね」の時のようにそこに感情を乗せられると、おっと?となるんだよね。笑 隣で大盛り上がりの木兎さんとの温度差もこの2人っぽくてかわいい。



そして犬岡くんの回想。読み返すたびにこれがたまらなくじわじわと来てしまう。途中でポジションが変わる選手ってたくさんいるだろうし、そこには同時に挫折が存在することも少なくないと思う。悔しさはもちろんあって、それでもさっと前を向いた犬岡くんの強さが本当に本当にかっこいい。「恐さに気付いてしまったから立ち向かうしかない」、「恐さ」に出会った時、自分が取るべき選択肢をその1つだけだと言い切れる彼もまたとんでもない子だと思う。更にすごく良かったのは、リエーフという子が現れて犬岡くんに代わってコートに入るようになって、日向のライバルという位置付けになっている、という物語としての事情にちょうど重ねて、犬岡くん自身の話として、彼のポジションの変化や精神的な成長やレシーブを通じた日向への思い、というように描かれているところ。「キャラ」が物語の犠牲になるのではなく、犬岡くんの人生の一部としてこの話が読めたことが本当に良かった。



そしてポジションの移動を打診する猫又監督の話し方や、側で支えた海さんがまたすごく良くて。優しい人だというイメージのある海さんだけど、それは甘いということではない。犬岡くんの話を掘り下げいく中で周りの子たちのことも見えてくるのがやっぱりハイキューの大好きなところ。



そして、球彦!研磨がわくわくするサーブってどんななんだろう。予想がつかないからすごく楽しみ、というところで来週!