ハイキュー‼︎第264話「失恋」

 表紙は別だと思っていたら、レジェンドと一緒に日向も表紙に登場ということで、なんだか胸が熱くなった。そして巻頭カラーではついに稲荷崎のカラー。少し前に宮兄弟はキツネとしてカラーが出てたんだけど、ほかのメンバーはこれが初。このカラーめちゃくちゃ良い。緑の色とか稲荷崎っぽさ、両チームの黒いユニホームと、その両方に映える朱い鳥居。すごくいい。狐の石像?というのかな、それがバレーボールを持っているというのがまた細かくていい。あと構図がすごい好き。稲荷崎のテリトリーに入ってきた烏野っていう、稲荷崎の視点から見た時の絵だもんね。烏野の強さとか脅威であるということを、敵の視点から描くっていう。待ち受けるのが稲荷崎で、侵入者が烏野。

 

 

 

本編は「恋バナ」から。これめちゃくちゃ意外だった。思いの外田中が、そりゃもう真剣なんですよね。「まっすぐ」と作中でも言われてるけど。まっすぐで片付けていいのか?長所みたいに扱っていいのか?みたいなところはないでもないんだけど……田中が潔子さんに一目惚れした瞬間の説得力が凄まじかった。羽海野チカ先生だったら「人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった」とモノローグが入ってそうな感じ。ここ潔子さんは普段より更に気合い入れて描かれてるよね。こんなに目が書き込まれているのは初期以来じゃない?ただ主張したいのは、潔子さんの魅力って、この「1番乗りだと思ってるんるんで体育館に入ってくる」そして人がいて「(1番乗り)じゃなかった」と恥ずかしがる、そういうところ。年相応なかわいらしいお茶目なところがあって、田中にはそれを知ってほしい!けっこんしてください、に対して間を置いて「いいえ」と答える潔子さんはなんだか可愛いし、えらい。ごめんなさいじゃないのがいいかな。こんなに突然告白されて、潔子さんが謝る必要なんかないもんね。それにしてもこのあたりの描写を見て思ったのは、田中は好意を真っ直ぐ正面切って伝える以外の術を知らない故の、潔子さんへのあの態度になるのかなということ。わからなくもないけど、もう高2だしなぁ。いずれは一途で真っ直ぐじゃ済まされないようになるのだし、好意を真っ直ぐに伝えるために遠回りをする方法みたいなのを学んでほしいwというか田中の思いの伝え方がどうもおかしくなってしまうのは西谷とつるんで盛り上がっちゃうからじゃないかな~西谷どうこうじゃなくて。恐らく西谷は恋って感じじゃないんだと思うんだけどどうも2人の中で作り上げた「女神潔子様」の像が先行していってしまうためにおかしなことになっちゃうんじゃないのかな。

 

 

 

先週の引き、トスを呼んだ田中にニヤッと笑ってトスを上げる影山。ここいい。影山のコミュニケーションの問題なんかもあるけど、影山は影山で情とかではなくてちゃんと勝つために、あくまで理性的に、誰に上げるべきか、いつ上げるべきかってことはしっかり分かってる。この笑みには不屈の田中への誇らしさや敬いみたいなものが滲んでいるように感じる。そして超インナースパイクで得点、1セット先取!このページの熱さが半端無い。例の少年たちが声を上げてくれている様子とか例のカップル、そして木兎さん!木兎さんが自分のことのように興奮しているのがなんだか嬉しい。この子は実はすごく共感性の高い子なんじゃないかな。自分のことじゃなくても自分のことのように感じられてしまうっていうところもあって、でも同時に自分は自分他人は他人って線引きがシビアだったり干渉しすぎないってことができる、時に冷酷なところもあったりして面白い。月島と田中の会話もいい。月島は言い方はかわいくないけど、田中の強さをちゃんと認めているし、時に自分はそうじゃない故の敬いみたいなものも感じられていい。「それが簡単じゃないって言ってんですよ」はかわいいな。そしてここから叶歌の「失恋」につながるのもいい。田中はいつでもまっすぐで、そのまっすぐさに救われた自分だからこそ彼のその良さも、それが不変のものだということもよく分かってる。だからこそ田中の「心に決めた女性」への思いがまっすぐ真剣な、揺らがないものだということも分かってしまう。それでもそんな田中だからこそ好きで、誇らしいっていうのが最後のコマからは伝わってくる。

 

 

とにかく今週でセット取ったのでめちゃくちゃおめでたい。けど2セット目落とすこともまた確定みたいなものなので今後もしんどい。稲荷崎の方から焦りとかが全く見えないのがまたね、怖いよね。どうなるかなー。北主将もまだだしね。ここからが正念場という感じ。