ハイキュー‼︎第246話「夜」

夜。「1日目の夜」だね。彼らにとって、1日目の夜になるか、最後の夜になるかは、まだ分からない。

 

センターカラーは叶歌!超かわいい!「春の先は未だ知らない」という煽り文もいい。一般的に「春」は「恋」を表すし、この作品においては「春高バレー」でもある。

 

1日目を終えた烏野が音駒と遭遇。「明日も精々生き残ってネ」「そっちこそだろ」と軽口を叩きながらも、背を向けた瞬間から真剣な表情になるという描写から、翌日も生き残るということが大変なことだというのがすごく良く分かる。日向に対しては研磨とリエーフと犬岡で3人対応してるのがすごい。さすが主人公。犬岡は日向の初期ライバルポジションだったのがリエーフに移ってしまったかなと思ってたんだけど、こうして日向と対応付けて描かれているのは嬉しいかも。欲を言えばゴミ捨て場の決戦では犬岡の物語も何か描かれたらいいなぁとか。何気に明日の相手が音駒ではないということが判明。

 

そして宿へ帰る道すがら、新山女子と遭遇。新山女子の子たちがエナメルバッグにキーホルダーをジャラジャラつけているのがリアル。体育会系のJKってそういうところあるなぁとすごく親近感が湧く。一見クールに見える主将(っぽい子)もバレーボールのキーホルダーを付けているのとか、かわいい。そして新山女子はIH優勝のシード校という、ガチガチの強豪だったみたい。本当に女王だった。宮城は長年白鳥沢と新山女子が代表になるというのが続いてたんだろうね。白鳥沢が負けて1番驚いたのはもしかしたら彼女たちだったかもしれない。白鳥沢の面々と彼女たちが顔なじみであった可能性とか考え出すと楽しい。豪勢なホテルに宿泊する新山女子との宿屋の格差も、烏野の子たちが考えるのはご飯のことばかり。かわいい。これもまたDK感。そしていい子感。日向の「焼かさった」は方言だよね。多分先生も意識しないでというか、方言だと認識せずに使ったんじゃないかと思うんだけど、こういうのが出てくると、東北の子だ〜、という実感が妙に生まれて何かすごくキュンとする。意味としては「焼いてある」って感じみたい?

 

そして田中に声をかける叶歌。頬を染めた感じと、何より目線を合わせられない感じがリアル。からの、2年生劇場。「脈アリ」問題。木下が顔を覆い成田が頭を抱えしているのが笑える。彼女ナシかな。縁下の言う「多分好きじゃん」の破壊力。そして「脈ナシ」体験を回想する田中。「つまり俺は今産まれた」に笑う。

 

叶歌と話している小さめの子が五色っぽい。というか、叶歌は田中のことが本当に好きなんだね…!回想のエピソードもまたいいよね・・・。小学校時代恐らくガキ大将やっていた田中が人気者で周囲から一目置かれていたこととかも容易に想像つく。そして背の高さからからかわれる叶歌を体育館に連れ出してバレーボールを教える。「なんだか自信が持てるようになった」と。地味というか普遍的ではありながらも、やはりいいエピソード。高身長をコンプレックスに感じていた叶歌に対して、「かわいいじゃん」みたいなフォローが入るのではなくて、「バレーボールで活かせるぞ」と持って行ったのが田中らしくもあり、ハイキューらしくもある。実際に叶歌はその高身長をバレーボールで思う存分活かすことができているわけで、「自信が持てるようになった」も当然説得力がある。コンプレックスだった身長を強みにできる分野に連れ出した(本人はそんな難しいこと考えてないだろうけど)んだもん。単純な構造なんだけどうまくできてる。以前春高予選の時に田中が叶歌に声を掛けるシーンで「あいつは俺が育てた」みたいなことを言っていた気がするんだけど、あながち間違いでもなかった。

 

そして烏野。コーチの電話の相手は実家の家族だよね。内容としては烏養監督の病気の具合に関すること。強化合宿編のあたりで一度、監督の体調があまりよくないということが触れられたんだけど、それがまだ継続している話みたいなので、かなり怖い。こう何度も触れるということは、何かしらそれについて描く気があるということだもんね。ちょっと本当に嫌な怖さ。「梟谷の試合怖い」みたいな、期待と不安交々の「まんじゅうこわい」的怖さではなくて、ちょっとドキッとしてしまう類の。「よし じゃあ明日の話だ」で一気に表情がキュッと引き締まる。田中ですらちょっと冷や汗かいてる。月島が頷いて話を聞く体勢になっているのとかエモい。

 

大地さんと旭さんのやりとり。どんな苦境でも一切後ろを振り返らず、不気味なほどに前を向いてやって来た大地さんと、後ろにスーパーリベロを抱えていながら一度逃げ出してしまったエースの旭さん。「大地に余裕が無えと逆にこっちは余裕ができるフシギ」。同じポジションでありながらチーム内での役割もわりときっちり分かれていて、そしてきっと性格は正反対の2人。本当に「いよいよ最後の大会」で、結果がどうなったとしても数日後にはチームメイトではなくなるということが寂しくてちょっと泣ける。大地さんは「アレやってもいいぞ」と、何でもないことのように言うけれど、それを聞いた旭さんは「大地が余裕がない」ことにちゃんと気付いているあたり、絆というか、年月を積み重ねて来たんだなということをすごく感じる。そして初詣の回を思い出す。あの時大地さんが見た初夢は、やっぱり大地さんが「心の深層では緊張していること」「その気負いを口に出せないこと」から生まれたものだと思うけど、春高1日目を終えた夜、大地さんが口に出せなくても旭さんがしっかり感じ取って、茶化してくれることで救われる部分というか、荷が降りる部分があるんじゃないかなとすごく思う。やはりあの「初夢」の頃からどうも、大地さんの「主将たらんとする意識」の裏返しにある、実は年相応に弱い部分が意図的に描かれているように思う。

 

大地さんと旭さんの会話を聞いた田中は少し緊張してしまった様子で、外に出る。そして叶歌と遭遇!ひとしきり会話が終わった後の気まずい沈黙がリアルかつかわいらしい。田中が勘違いして(勘違いではないんだけど)「心に決めた女性がいるんだー!」と言うのはちょっと驚いた。まぁ潔子さんのことなんだろうけど、恋愛として好きだったの?という。恋愛としての好きではなくて憧れだろう、とか思ってたんだけど、まぁ本人がそう思っているならそれはそれで別にいいかという感じ。叶歌に届け物をしに来た親戚に会ってしまい「カンチガイ!」とこれまた勘違いをして逃げていく田中。縁下がとばっちりを受けてて笑った。それにしても告白していないのに失恋するどころか「叶歌が俺のこと好きとかカンチガイだった!」まで思われているの、辛すぎる。思い人がいるからと「脈アリ」でもしっかり断る田中はかっこいい?のかもしれないけど、もう一度自分の早計な部分を見つめ直した方がいいとは思うw田中と叶歌のエピソードは応援したいし和んだけど、「ここにレンアイしに来たわけじゃない」と言ってくれたのはすごく安心した。

 

大会2日目 シード校参戦。窓の外を見つめる黒尾と、タブレットのようなものを見ている研磨。スマホで(!)明日の予習をしていると思われる赤葦と、ぐっすりの木兎さん。黒尾と木兎さんはお風呂上がりのはずなんだけど髪が寝てないんで驚いた。まぁ下ろしてたら誰?ってなっちゃうかも。あと赤葦はスマホだった。わかるっちゃわかるし意外とも言える。烏野の場面としては2年生が映っているのがミソかな。次の試合では2年生に焦点が当たるのかも。そしてマネージャー組の「お風呂」。かわいい。で、シード校。宮の学校もシードだった。のぼりに稲という文字が見えるので、稲荷でキツネ、また京都という可能性!大方の予想通りなんじゃないかな。本当に京都でキツネだったらすごい。ハマりすぎ。そしてついにキリュウがお目見え。キリュウってどんな字書くんだろう。「龍」の字だったら怖い。絶対強いじゃん。次からは既出の学校と当たる気がしてるのでちょっとドキドキがすごい。ちょくちょく組み合わせについて考えてもみてるんだけど、情報がとにかく少なくて今の段階ではどうにも推測つけようがないという感じ。とりあえず分かっているのは、音駒と烏野が当たるとすれば3回戦以降であること。また決勝で当たるというのは考えづらいので、恐らくは3回戦から準決勝の間。トーナメント早く見たい。