ハイキュー‼︎第292話「いつの夜も二度と無い」

初っ端から梟谷でビビる。2回戦突破。よかったあ〜〜。梟谷は推しだからという理由の他にも、警戒していない時に出てきて爆弾落としていったりするし、烏野と当たるかも分からない、勝敗も予想しきれない、といったところで、1番心臓に悪い。木兎さんが「宮ンズ」とまた独特な呼び方をしていてかわいい。そして自分の試合に集中している時は外で何が起きているか全く目に(耳に)入っていないというところも彼らしいな。いわゆる「フロー」状態っていうのかな。
 
「初戦ではふわふわしてたもののそれ以降の調子は上々」な木兎さんに期待するみたいな、もっと乗せたいもっと使いたいみたいな気持ちを赤葦は「欲を出す」って言うんだな〜。そしてその考えすぎてる赤葦を見ていてくれる猿杙との関係性もまたいいな。何気に赤葦がちゃんと後輩っぽいし3年生が先輩っぽいな、というのは244話以降かなり感じる。
 
例のカップル。めっちゃいいなこれ。烏野の試合を見てまたバレーやろうかなとかやってみたいなと思う人がいるの、この世界の中だけの話ってわけでもないだろうな。そして烏野に何の縁もないこの2人がだんだんと烏野に傾いてきていて、明日も見てくれそうな雰囲気なのが嬉しい。
 
 
「パンダに嫉妬するアリクイの話題」気になりすぎる。そこからの烏野の子たちの反応とかやりとりはもうずーーーっとかわいい。春高編は実況解説もそうだけど、メディアの描写が入ってるのが楽しいな。ずっと応援している地元の高校がテレビで取り上げられているみたいな感覚があって、妙にときめく。潔子さんが男子の中でおっきな口を開けて笑ってるのいいな〜。かわいい。
 
 
そして梟谷。「100回くらいリピートするものかと」は分かるわ。私もそう思う。実際「あんま映んなかった」のに20回も見てるし、めちゃくちゃ映ってたら本当に100回くらい見てそう。だし、木兎さんはそういうのを見て自信つけてパフォーマンスを向上させていくタイプだろうから特別ヘンなことってわけでもないよね。自分を誇りに思えること、他者から認められることの両方がパフォーマンスに強く結びついているであろう木兎さんにとっては、自分の大活躍した姿を自分で見て、更にナレーションで的確な褒め言葉をつけてもらえるのはめちゃくちゃ効果的だろうなという感じがする。
 
「俺は高校終わっても変わらずバレーやるし」が正直嬉しかった。「高校最後の大会だからって今までととくに変わんないと思ってた」は、特別意外ではないんだけど「あっ、そう思ってたんだ」みたいな、驚きはせずともすっと呑み込むでもなく、みたいな複雑な気持ち。これは自分の学生時代の感覚と違うものだからっていうのがあるかも。まあそんな木兎さんに、ここに来て「もっと皆とやりたかったなー!」って新たな気持ちが芽生える。「最後の試合だから」勝ちたい・頑張る、とかそういうのは木兎さんにはなくて、「勝ちたい」とか「頑張る」という気持ちの大きさみたいなものが目に見えるとしたら、今までのそれと今大会のそれは全く少しも変わらない。だから今大会が特別って思いはなかった。はずだったんだけど、ここに来て、バレーボールそのものへの愛情の他に「部活」としての側面、「梟谷の」バレー、その仲間たちに対する愛情に気付く。そっか〜〜!!!!そうなのか〜〜〜〜!!!!これはわりと驚きかもなあ。木兎さんもそういう感覚ってあるんだなあ。木兎さんは、春高で最後の試合を終えた次の瞬間からもう、次のステップに向かって走っていけちゃう人なんだろうなと思うけど、そこで梟谷のバレーを「過ぎたこと」にする、というのではなくて、ちゃんと未来に持っていく、というのが今回の発見かなあ。その上で、湿っぽい感情とか特別な思いを乗せたりせずに「梟谷のバレー」を「梟谷のバレー」のまま持っていける暖かさも冷たさも持っている、というのが今の木兎さんのイメージ。
 
が、赤葦はちょっと理解し難いというような絶妙な表情。このあたりがちょっとなかなか読めない。その後の「まだ2日目じゃないですか」から、「もっと皆とやりたかったな」について木兎さんと赤葦の間で認識のズレがあるんじゃないかと思って読んでたんだけど、つまり、木兎さんが恐らく「皆と【部活を】やりたかったなー」と言ったのを赤葦は「もっと皆と【試合を】やりたかったな」と受け取ってるから「まだ2日目なのにどうして今それを?まだあと何試合もあるのに・・・」って赤葦は言ってるように思える、ということ。更に、木兎さんの口から「終わり」とかそれを意識するような言葉がポンポン出てくるのに対して、赤葦の言ってるのって本当に「今」のことだけ。まるで木兎さんが、3年生が引退するなんて夢にも思わないみたいな感じで、今大会のことだけを考えてるし、喋ってるんだよね。これは否が応にも高校の次のステップに進まなければいけない3年生と、そうでない2年生との単純な違いっていうのはもちろんあると思うけど、今週冒頭に「考えすぎ」ってワードが出てきたことを思うと、やっぱりそれだけではない、と思う。今の赤葦にとっては、木兎さんが大会真っ只中にもかかわらず「もっと皆とやりたかったなー!」と、戻らないものを惜しむような言い方をしているのがピンと来ないって感じなんじゃないだろうか?それも今の快感が全てっぽい木兎さんが。「今までととくに変わんないと思ってた」木兎さんが(赤葦は木兎さんがそう思ってたということを分かってた、という前提のもと)。このあたりのやりとりのアンサーみたいなものもいつか描かれればいいと思うけど、とりあえずは、ちょっとずつズレている2人が「ぜんぶ勝つ」で顔つきを変え、いつもの雰囲気(「1月を~」のくだり)に戻っていく、っていうので完成してるのかなという気もする。負けるんじゃないかっていうよりは、今後描かれる何かのきっかけになる流れだったかなと思う。主に赤葦の「考えすぎ」に関して。「嫉妬しますね」も重なる気がするし。
 
烏野3年生の会話、めっちゃかわいい。言葉の選び方、会話のテンポ、ノリ、そういうのが自然でなんだか心地いいよね~。あとは、スガさんの「サイン考えたろ」とか「菅原先輩という素晴らしい先輩に学びましたって言うんだぞ」とか、実現する未来がめちゃくちゃ見える。影山は素直に(でも本心から)やりそうだなって思う。かわいい。
 
潔子さんとやっちゃんのシーンもめちゃくちゃかわいい~。何でもない会話なんだけど、その中でやっちゃんが「明日の夜」と自然に、無意識に口にしていたりとか、それに気づく潔子さんがいたりだとか、めっちゃときめく。この空間が愛しすぎて一生この時間が続いてほしい、とも思うのに、やっちゃんはもう実は1人になる準備ができてる、そういう頼もしさをもう持ってる、っていうのがうれしくもさびしい、でもやっぱりうれしい、みたいな複雑な感じ。そして水面を泳ぐ2つの球・・・が何かと思えば日向の尻でめちゃくちゃ笑ってしまった。めっちゃきれいなおしり。
 
そして音駒。「音駒の方が格下っぽい」っていうのに作中で言及されると思わなくて驚いた。いや私は黒尾のじゃんけん理論に完全同意なんだけど。白鳥沢を倒し稲荷崎を倒した烏野と、梟谷に負けた音駒の試合の勝敗に関してそういう言い方をする人がいるだろうっていうのは非常によくわかる。そこで効いてくるのがGWの音駒との初戦からの積み重ね(烏野は音駒に1度も勝っていません)でもある。改めて、初期からこの試合のための描写が重ねられてきたことがすごいし、今それが実現するというのも感慨深い。研磨のセリフはスポーツにおける試合の存在意義そのもので、研磨がこれを言うっていうのがぐっとくる。「どっちのチームがより卓越しているか」確かめる方法は試合以外にないし、試合の勝敗がそれを映すからこそ、「試合」は存在し得る。(逆に言えば試合の結果の勝利・敗退に正当性がないんだとしたら、「試合」はその競技において強さを競う手段として成立してないということになる)つまりはどんな予想が為されていようと、どれだけ強い相手を倒してきた相手だろうと、この試合に勝ったほうが強い、それだけなんだよね。で、対して日向には試合の勝敗、チームの勝敗のほかに「研磨は何を思うか思わないか」っていう軸もある。これ自体が目的になるわけじゃないけど、結果の先か、あるいは結果とは別に、日向が勝たなきゃいけない勝負がある。これも楽しみだ~~。
 
あ、「自分のふとんだけ敷いてやがる!」に笑った。研磨はそういうとこあるし、それを見逃さない黒尾もそういうとこあるよなって感じ。
 
そしてアリサと冴子さんの服がかわいくて最高である!
 
ついに、3日目。色々ぐるぐる考えたり、とうとう実現するこの試合に感慨深いなってほろっときちゃったりするけど、「満喫しようぜ」が全てかもね。とにかく今は本当に楽しみ!読み応え抜群の一話だった~!