ハイキュー‼︎第287話「アンチ奇跡」

侑サーブ。大地さんがオーバーで触るも、手元で回転し、落ちる。稲荷崎マッチポイント。コーチが淡々と、「奇跡はいらねえんスよ」と言う。また大地さんがいい顔してて泣いちゃう。特別なことを、すごいことをしようとしてるわけじゃなくて、ただ今まで何度も繰り返してきたことをここでまたやるだけ。そうなんだけど、それがいかに難しいか… とんでもない活躍をしなきゃいけないわけじゃない、普段通りをやるだけ、っていうのは北くんの話でもあったかなと思うんだけど、大地さんの方が気持ち「自分に言い聞かせてる」面が強いのかなって思う。それに、ここぞの場面で普段通りをこなすって、やっぱりそれだけでひとつ秀でた能力だと思う。西谷の時にも思ったけど、常に冷静に落ち着いていること普段通りのプレーができることが重要、というよりは、そういう状態に自分を持って行く方法を知ってるってことが重要なのかなとか思う。なんでもそうかも。


侑サーブ2本目……の、掲げた拳を握りブラバンの演奏をぐっと止める瞬間の絵がものすごい。こわい。侑と治のサーブルーティンの、今世界が彼らの手の中にあるような、世界を終わらせてまた始めるみたいな、そんなところが好き。


大地さんの上げたボールがネットを越えそうに。でもそんな時でも日向はトスを求めて跳んでいる。コート上の王様とおりこうさんの時代を通過し、戴冠式を迎え真に王様となったこの今の影山が、この場面、コイツに負けてたまるかと競うのが、今同じコートに立つ日向であるっていうのがも〜〜すごい。互いに対照的なものを持って、また持たずに、日向と影山が出会ったところから動き出したこの物語で、わりとはじめから日向も影山も、お互いに自分が持ってないものをすごいな羨ましいし悔しいし負けない、って認め合い競い合う関係性ではあったと思うけど、4月から今まで2人とも違う人から違う場所状況であらゆる影響を受けて、その彼らが今コイツに負けてたまるかと互いを見ている、それが「来ると信じて跳び」「トスを上げ」「打つ」というめちゃくちゃに「仲間」であるプレーに重ねて改めて描かれるっていうの、ぐっときちゃうな〜。うまく言えないけど。


で、研磨がいいよね〜。めちゃくちゃ引いてるというか、気持ち悪がってるの。侑の「同情すんで飛雄くん」のあたりは治の反応がほんのちょっと意外だったかも。


次の次の「東峰のサーブ」が最短のチャンス……かな?本当に?というところで、月島が「無理だから」と預けた先、ボールを上げるのは、日向。穴原監督の言葉がいい。そして日向と影山、日向と月島の関係性っていうのもいい。月島のブロックでコースを絞った先に日向、という画、すごいよね。連載当初はこんな画をみることになるとは思わなかった。信用、信頼、期待、そういうのとも少し違うような気がして、うまく言えない。最短のチャンスは今。このまま27-29で決まるかな……30点台までいきそうかも。



裏表紙研磨。好き。