ハイキュー‼︎第289話「"楽"」

「俺に寄越せ」「絶対に決めたる」と殺気立つ治を囮に使う侑。思い出したのは、「強烈な一発が打てると思ったときこそ」のフェイント、の木兎さん。こういう「あえて」みたいなのが上手い選手って、熱でぐっと押すところと、冷静に引いて見るところとをうまく使い分けているというか、その両方を行き来するのが上手いのを感じる。「新しいオモチャを使うのを上手い具合に我慢してる」のあたりもそう。

「気力勝負」という言葉をねじ伏せるように3枚の上からアランくん。気持ちいいな。「気力」は悪い言葉ではないと思うけど、「気力勝負」はなんかなぁ、みたいな複雑な感じ。気力が失点に繋がることはあっても勝因になることはないんじゃないか、みたいなそんな。

「影山は上げよるぞ‼︎」からのツー、はめちゃくちゃ気持ちよかったな。数週前の侑もそうだったけど、こいつらあれもこれもやる、この場面だってこいつならやってくる、そういう1セットからの積み重ねが最後の最後のこの場面で相手を追い詰める。バレーボールはとことん繋がっているスポーツだな〜と改めて感じられる。

烏野マッチポイント。月島サーブ。熱い!月島がしっかり戦略を持ったサーブを選択していったことがも〜〜うれしい。稲荷崎はなんとか烏野コートへ返すのみ。しかし烏野チャンスボールのはずなのに、どうもおかしい。攻めろ、はやく、追いつかれる前に。そうやって、どんどん前に誰よりはやくと急かされるように、何だか全てに余裕がないのが画面からわかる。月島のパスは低く、西谷は厳しい表情。西谷が侑のジャンフロに苦しめられていた時でも影山は「Aパスじゃなくてもいいから高くください」と言っていたなと思い出す。セッターを走らせることになるのはよくても、低いっていうのはそれだけセッターには厳しいことなんだろうなと素人ながら想像する。大地さんのレシーブのカバーに入っている影山のトスを、余裕がないままに田中は呼び、影山はそれに応える、しかしやはり万全ではない。「味方の首も締めていく」はじぶんたち、とルビが振られているように、全員が苦しめられるということもそうなんだけど、この場面では特に、「戻れすぐネット際」と走る影山の首を今まさにギリギリと締めている、と彼の余裕のない表情を見て感じる。速くなったリズムの中で生じてしまっている余裕のないレシーブ・余裕のないスパイクをなんとか繋いでいるのが影山で、自分がどうにかカバーしなくてはというところから(そう意識しているというよりは、そうせざるを得なくなっている、という感じ)「走れすぐネット際」というワードが出てくる。でも影山がパスをもらってスパイカーに託すまでの間や余裕、選択肢を持てなくなっちゃってる、そこに日向の「ゆっくりと高い」1本。それがあることで影山がネット際について、そこからスパイカーに上げるまでの一瞬の余裕ができる、スパイカーは万全の状態で攻撃に備えることができ、影山はその万全の状態のスパイカーたちから、誰を使うか余裕を持って選び託すことができる。バレーボールのことは全然わからないので素人考えでしかないけど…

シンクロ攻撃、影山は誰に上げるかというところで、次週巻頭カラー。来週決まるね。ドキドキ。

5周年だめでたいめでたい言ってたら、もう6周年。とりあえず原画展がめちゃくちゃ楽しみ!いつだ!笑