ハイキュー‼︎第296話「同時進行」

日向、夜久さん、西谷。ちょっと珍しい並び。「やがて来る春に思いを馳せて」の煽り文が好きだ。春高、を表す言葉として「春」とよく使われているけど、春という言葉自体に、何かの終わりと始まり、新しい季節、冬の終わり、闇の先の明るさ、 …そういういろんなものが籠っているから、どこか切ないようなさびしいような、それでいてすごく清々しいような気持ちになるんだよね。



実況解説によるリベロのトスの説明。この漫画を読んできた読者は既に知っているルールでもあるけど、現実に実際試合見てて今の何だろう?と思ったとき、こういう説明を受けることができたらやっぱりすごく見やすいんだろうなと思った。森然の子たちが「この前まで…」と話していたのにはちょっとハッとしてしまった。読者の視点では東京合宿から既に4年くらい?経っているので、懐かしいなあって思うことも多いんだけど、この世界に生きる彼らからすればまだ半年も経っていないわけで…この感覚はこの試合を見る上でもちょっと忘れたくないなあと思った。


影山の「孤爪さん」いい。新鮮だ。日向はギリギリ踏ん張って「マテ」が出来はしたけど、「マテだ!」と意識した時点でもう遅い。研磨が上げたトスを打つ黒尾、それに対して日向と大地さんがブロックに跳ぶ、っていうのいいな。それぞれ対になる2人。


赤葦がきっちり「ネットの向こうの相手」の視点から研磨について解説。「ネットのこっち側」の虎とかコーチは「今日研磨気合入ってるな」って身内ならではのリアクションをしてるのがいい。


旭さんのアタック。研磨が上げるもすぐに日向が返した、かと思えば夜久さんが上げ…旭さんのダイレクトを音駒が上げ攻撃につなげるも、旭さんの得点でやっと1点。ほんとすごいな、まだ1セットの序盤も序盤なのに。両チームスタミナの問題は必須だろうな。


木兎さんが旭さんにすごい独特なあだ名をつけててかわいい。普通に受け入れている赤葦は果たしてちゃんと聞いているのか…「エンジン音が静かなだけ」という表現は言い得て妙。東京予選でも梟谷は音駒相手に一度は苦戦しながらも、木兎さんをかなり良い状態に乗せた「本調子」の状態になってからはずっと梟谷の優勢を守り続けたような印象。


烏野と戦ったことないのに月島のことがなーんか嫌な大将!これ、月島の中に無意識に黒尾のブロックを見出してるってことなんだろうな〜〜。最高。本人も周りの人もそれっぽいことは言わないけど、月島のブロックの中にあの夏以降の黒尾のブロックの血が流れてるっていうの、いいよね。いわゆる「第3体育館」の子たちの関係性として超理想、というか、ただただ私が嬉しい。彼らの関係性って「あの夏同じ体育館で一緒に練習した」以上でも以下でもないんだけど、その「あの夏同じ体育館体育館で一緒に練習した」ことは例えば月島の中に、日向の中に、ずっと残るものなんだろうと思う。それは、月島にハートの部分で大きなきっかけを与えた木兎さんの「その瞬間」という文脈が今の彼の中に定着していることだとか、黒尾からブロックの技術を教わり赤葦から戦略を教わったことだとか、日向が木兎さんに必殺技を授けられ師弟(と木兎さんは認識している)の関係性を築いたこととか。本人たちがこの夏の記憶や思い出を取り出して懐かしんだり大事に思ったり感謝したり、ということをわざわざしなくても、あの夏のことって彼らの人生の多分大きな部分に、しっかり根付いてるんだろうな、って思う。あの夏の彼らの関係性に新しい名前をつけたり再定義してみたり、これ以上発展させたりしなくても。


ラスト見開き。もうめちゃくちゃびっくりして、なんかすっごい嬉しくて、読んでからニヤニヤが止まらなかった!笑 音駒シンクロ攻撃。ついに烏野の相手がシンクロを使い始める。ついにだよ。そもそも烏野のシンクロ攻撃自体が森然が使ってるのを見てから取り入れたものだし、現実的にすごく珍しいプレーというわけでもないはず。更に音駒は研磨が「動きの少ないセッターである」ことがシンクロ攻撃ともきっと相性がいいんだよね。研磨が誰に上げるかギリギリまでわからない上、スパイカー4人が助走に跳んでいて、誰が打つのか本当にギリギリまでわからない。この研磨のセッターとしての個性っていうのが今週序盤で改めて説明されているあたりもここに繋がるんだなー。それでも烏野としては、リベロのトスからの全員攻撃に参加のパターンがあることと、日向の存在があることが大きいね。


今週もほんとうに熱くてわくわくした!次回巻頭カラー!また?!という感じでもあるけど…古舘先生が健康でいてくれますように…と祈りつつも、素直に楽しみにしてます…!